名古屋市栄の漢方専門クリニック(保険適応)。内科、皮膚科、婦人科(冷え性、不妊症)のお悩みはご相談ください。

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あおやまクリニック

2015年(平成27年)9月10日 中日ショッパーに掲載

『質問』
糖尿病と肥満があり、主治医から痩せるように言われています。食事療法や運動も気をつけていますが、漢方を併用して痩せることはできるのでしょうか。(64歳 中区)
  
『回答』
現在、肥満から糖尿病になる人が急増しています。肥満になると、耐糖能(血糖を処理する能力)の障害がおこり、軽い糖尿病状態になる場合があります。初期に肥満を解消すれば、糖尿病にならずにすみます。体重を減らすことで、インスリンの感受性や血糖のコントロールが改善するからです。痩せるには食事と運動が大事です。摂取カロリーを減らすためには、空腹に対するがまんが必要となりますが、がまんをするのはなかなか辛いことです。そこで漢方を使って食欲を減らし、さらに代謝を上げて痩せることができます。減量により糖尿病治療薬の助けを借りなくても、血糖値を正常範囲に保つことができます。体重を5%減量すると効果があるといわれています。さらに、合併しやすい高血圧や脂質の異常、脂肪肝、動脈硬化症などにも効果がみられます。

2015年(平成27年)2月10日 中日新聞に掲載

『質問』
不妊治療を数年続けていますがなかなか授かりません。冷えがよくないとのことで、漢方治療も考えていますが、不妊治療と並行して漢方治療も行ってもいいのでしょうか。
  
『回答』
漢方薬で妊娠のための体づくりを行うことができます。一般的な西洋医学による不妊治療と並行して行うこともできます。妊娠するためには体全体のバランスがとれていなければなりません。妊娠を妨げるものとして冷え、瘀血、気の異常(ストレスなど)、胃腸虚弱、肥満などがあげられます。冷えによって子宮、卵巣の機能が低下します。瘀血とはうっ血をおこした古い血液により血液がどろどろの状態です。瘀血がたまると排卵障害、生理不順の原因となります。胃腸の弱い人には漢方薬で体力をつけることが必要です。肥満の人は肥満体質の改善が妊娠への近道となります。漢方薬でこれらを治療し、妊娠できる母体づくりを目指します。母体づくりをしないで西洋医学的治療(ホルモン治療・人工授精・体外受精等)を試みても、妊娠から出産まで維持するのは難しいものです。そのほか鍼灸、温熱療法なども母体づくりに有効です。

2014年(平成26年)11月11日 中日新聞朝刊に掲載

『質問』
子供のころからずっと肥満体質で、運動も得意でなく、なかなか痩せません。
健康のために痩せたいと思うのですが、漢方でも治療できますか。

『回答』
肥満とは、体内に脂肪が過剰に蓄積した状態を指します。肥満治療には食事療法、運動療法、薬物治療の3つがありますが、薬物治療のひとつとして漢方治療が有効です。脂肪細胞には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2種類があり、白色脂肪細胞は、中性脂肪としてエネルギーを蓄積しますが、褐色脂肪細胞は過食による余ったエネルギーを燃焼して体外に放散させます。この細胞の働きの低下が、肥満になる原因のひとつであることが最近の研究でわかってきました。例えば防風通聖散は白色脂肪細胞での脂肪分解作用に加えて褐色脂肪細胞を活性化させて、脂肪燃焼効果を発揮するという作用があります。これ以外にも有効な漢方薬があります。漢方はダイエットにおいても、その人の体質によって処方を使い分ける必要があります。

2014年(平成26年)3月5日 中日新聞朝刊に掲載

『質問』
花粉症で花の症状と喉の違和感があります。市販の薬や他院で処方された薬は合わないことがあり、漢方でも治療できればと思っています。
花粉症に効く漢方はありますか。

『回答』
花粉症は鼻や喉などに水が溜まっている状態と考えられます。それにより粘膜が膨張して鼻がつまる、鼻水や涙が出る、喉がいがらっぽいといった症状が現れるのです。そうした水の偏在を漢方では「水毒(すいどく)」と言います。水毒とは本来必要なところに水分が少なく、特定のある部分にだけ多く溜まっている状態を言います。花粉症の漢方治療では、水分の偏在を解消し、水分バランスを整える「利水剤」を用います。代表的なものは花粉症の薬として有名な小青竜湯です。そのほか麻黄附子細辛湯、苓甘姜味辛夏仁湯、越婢加朮湯を状態にあわせて使います。西洋医学で使われる抗ヒスタミン剤は花粉症の症状は取れますが、脳の働きが鈍くなり、眠気やだるさが現れます。運転などにも注意が必要です。その点、漢方薬は眠気は全くありません。また妊娠中でも安心して服用できる漢方薬もあります。ご相談されるとよいでしょう。

2012年(平成24年)9月26日 中日新聞朝刊に掲載

『質問』
28歳女性です。体が乾燥しやすいのか、よくお腹周りや足にかゆみが出てきます。
もともと軽いアトピーもあるのですが、何かよい漢方はありませんか。

『回答』
アトピーなどで皮膚が乾燥するのは、体に熱がこもっている場合や、胃腸が弱く皮膚に十分な栄養がいき渡らず、皮膚を潤す力がない場合にみられます。体内に熱がこもり、乾燥や発赤が強い場合には、長い間皮膚に炎症があることによって、血液が熱をもち「瘀血(おけつ)」となってどろどろしてきます。肌はごわごわ、かさかさして「苔癬化(たいせんか)」という慢性の炎症の状態になります。「熱」があるのでほてりもみられます。ステロイドを長期に使っていてもほてりがきます。漢方では黄連解毒湯、温清飲、当帰因子、白虎加人参湯などを用います。また胃腸の消化能力が低いため、皮膚に栄養が行き渡らず、乾燥する場合には補中益気湯を用います。この処方は気のはたらきを増し、胃腸のはたらきを補い改善します。このように体質に合わせて処方を選びます。その他食事では糖分、脂質の摂りすぎを控える必要があります。

2014年(平成26年)9月11日 ショッパーに掲載

『質問』
1歳の娘がアトピーのようです。漢方でもアトピ-治療が出来ると聞き興味があります。
(30歳 中区在)

『回答』
アトピー性皮膚炎とは免疫の過剰反応によって起こるアレルギー疾患のひとつです。漢方では年齢によって処方が異なります。乳児期は食物を消化吸収する働きが未熟であり、胃腸の働きを補う作用のある黄耆建中湯や補中益気湯、皮膚の湿潤と乾燥が共にある場合には桂枝加黄耆湯を用います。幼児期は乾燥傾向が強まり温清飲を用いることが多く、分泌液が多く夏に増悪する場合には消風散が有効です。また小児期の腺病体質の改善に柴胡清肝湯を用います。学童期から成人は乾燥がさらに強まり、特に顔面紅斑が強い場合が多く、白虎加人参湯や黄連解毒湯がしばしば用いられます。女性で月経不順や血流が悪くなる瘀血がみられるときには桂枝茯苓丸を用います。また湿疹は軽度なのに痒みが強いときには当帰飲子を用います。ストレスが原因の場合には抑肝散や加味逍遥散を用います。このように年齢体質に応じて処方を使い分けます。

2013年(平成25年)9月12日 ショッパーに掲載

『質問』
夏ばて改善や食欲増進などに効く漢方はありますか。(32歳 東区在)

『回答』
夏ばての原因には、猛暑により体力が衰え、気力が消耗し、消化吸収機能が低下するものと、冷房により体の表面の温度が低下し、自律神経のバランスを崩してしまう、クーラー病があります。清暑益気湯は,漢方では「注夏病」とも呼ばれ夏やせ,夏ばての代表処方です。昔から,暑熱をさまし気力を益す特効薬として使われ、下痢がある場合にも有効です。補中益気湯も胃腸の調子を整え、気力を増す漢方です。猛暑により、体温を超える屋外と冷房の効いた室内との温度差、冷たい飲み物や食べ物、睡眠不足などにより自律神経失調をきたすクーラー病には真武湯、五積散などが有効です。また気温が高い状態が長く続くと、大量に発汗し水分や塩分が失われ脱水や、頭痛、めまい、意識障害をおこします。熱中症の予防には五苓散と経口補液を十分に摂ることが必要です。

2013年(平成25年)5月9日 ショッパーに掲載

『質問』
血圧が低く、もう何年も朝が起きられない生活が続いています。
放っておいても良いでしょか?
何かよい漢方はありますか?(29歳 西区在)

『回答』
低血圧から、朝起きられないなどの症状が続き、さらに立ちくらみ、やる気が出ない、疲れ易いなどの症状がある場合には治療が必要です。ただし心疾患、ホルモン異常がある場合にはそちらの治療が優先されます。苓桂朮甘湯は、のぼせ、めまい、息切れなどにまた胃腸が弱く、冷え性で頭痛、めまいなどがある場合には脾胃を補う半夏白朮天麻湯を用います。新陳代謝が低下し、疲れ、下痢、全身の冷えがある場合は真武湯が新陳代謝を改善し、血行をよくします。その他細かくその人の症状によって当帰芍薬散や補中益気湯などの漢方を使うことがあります。漢方を扱うクリニックでご相談してみてはいかがでしょうか。

2012年(平成24年)9月13日 ショッパーに掲載

『質問』
漢方薬について教えてください。どんな時に漢方に頼れば良いのでしょうか。
最近耳にするのですが、難しそうな印象です。

『回答』
西洋医学では検査を行い診断の上、病状にあった治療を行います。そして症状が改善し、検査結果の正常化をもって完治したものとします。しかし手術により問題部分を取り除いたり、あるいは薬で検査値が正常化しても体のつらさがとれない、もとの生活に戻ることができないと訴える方もいらっしゃいます。このような不定愁訴を持っている人や薬が合わない場合には漢方薬が有効です。このほか病気の予防や体質の改善、生活習慣病、自律神経失調症、アレルギー疾患、婦人病、老化に伴う病気、免疫力が低下した状態やストレスに伴う体調不良に漢方薬が有効です。こうした慢性疾患だけではなく、風邪などの急性疾患にも漢方薬は効果がみられます。西洋医学と漢方医学をうまく組み合わせて使うことにより、それぞれの特長を生かし、健康な生活を送ることができます。

2012年(平成24年)5月 ショッパーに掲載

『質問』
更年期で異常に汗をかいたり、めまいなどに悩んでいます。
漢方薬で症状を和らげることはできますか?(57歳 中区在)

『回答』
更年期障害は女性ホルモンであるエストロゲンの低下によって身体や精神にいろいろな症状がおこります。初期にはのぼせ、ほてり、発汗、めまい、動悸などの自律神経症状が現われ、症状が進むと疲れやすい、不眠、不安、イライラなどの精神症状が現れます。自律神経症状の中でのぼせ、発汗、動悸、切迫感が強いときには加味逍遥散がよく、めまいがあるときにはりょうけいじゅつかんとうや当帰芍薬散が効果があります。頭痛には桂枝ぶくりょうがんがよく、冷えなどから頭痛がある場合には当帰四逆加ごしゅゆしょうきょうとうが有効です。また精神症状が主の場合などで不安感が強いときには半夏厚朴湯や加味逍遥散が効果があり、イライラや寝つきが悪いときには抑肝散が有効です。特に体力のある方で症状が強い場合にはさいこかりゅうこつぼれいとうや女神散が効果がみられます。漢方薬は脈や舌、腹部の診察をおこない薬を決めます。

2012年(平成24年)1月17日 ショッパーに掲載

『質問』
普段から、暑がりでもあり寒がりでもあります。最近、手足の冷えがひどく、仕事中も困るほどです。漢方だと効果があらわれるまで時間がかかりますか。(29歳 北区在)

『回答』
冷えは万病の元と考えられていますが、漢方では体質を見極めることにより少しずつ改善することができます。新陳代謝が低下し全身が冷える場合は陰証と考え、新陳代謝を高める附子の入った処方(真武湯、八味地黄丸)を用います。また胃腸機能の低下から冷えがある場合には水毒と考え、朮や茯苓の入った処方(人参湯、六君子湯)を用います。また瘀血(おけつ:血液がドロドロになり、流れが悪くなった状態)による冷えでは、微小循環が悪くなり、体幹の冷えよりも手足が冷えることが多く、体を温める当帰、川芎が入った処方(当帰芍薬散、当帰四逆加呉茱萸生姜湯)を用い、体質、体格の丈夫な人には桃仁、牡丹皮の入った処方(桂枝茯苓丸、桃核承気湯)が冷えやのぼせに有効です。漢方では病態により処方を使い分けているので比較的早く効果がみられるでしょう

2011年(平成23年)9月 ショッパーに掲載

『質問』
最近薬局などでも売っている内臓脂肪を減らす漢方薬が気になります。
漢方薬でダイエットは可能ですか。(54歳 千種区在)

『回答』
肥満とは、体内に脂肪が過剰に蓄積した状態を指します。肥満治療には食事療法、運動療法、薬物治療の3つがありますが、薬物治療のひとつとして漢方治療が有効です。脂肪細胞には白色脂肪細胞と褐色脂肪細胞の2種類があり、白色脂肪細胞は、中性脂肪としてエネルギーを蓄積しますが、褐色脂肪細胞は過食による余ったエネルギーを燃焼して体外に放散させます。この細胞の働きの低下が、肥満になる原因のひとつであることが最近の研究でわかってきました。例えば防風通聖散は白色脂肪細胞での脂肪分解作用に加えて褐色脂肪細胞を活性化させて、脂肪燃焼効果を発揮するという作用があります。これ以外にも有効な漢方薬があります。漢方はダイエットにおいても、その人の体質によって処方を使い分ける必要があります

2010年(平成22年)5月8日 ショッパーに掲載

『質問』
この春、娘が新社会人になり、毎日適度な緊張感を持って過ごしていました。連休後から仕事に行くのがおっくうになり、体のだるさが続くようです。
五月病ですか?(56歳 千種区在)

『回答』
春は入学や就職など新しい環境が始まることが多くみられます。期待と同時にやる気はあるものの、新しい環境に適応できずに眠れない、だるい、お腹にガスがたまる、意欲がわかないなどの症状がみられることがあります。このような新しい環境に適応できない状態を五月病といいます。五月病は正式な医学用語ではなく、「自律神経失調症」「適応障害」「無気力(アパシー)症候群」などの病名を指します。5~6月に特に多くなるのは、日によって寒暖の差が激しく、また日照時間が延び、ホルモンや自律神経のバランスが崩れやすいからです。治療としてまずは休養や気分転換が必要です。また漢方薬も有効です。加味帰脾湯や柴胡加竜骨牡蛎湯がよく用いられます。自律神経の働きを調整しながらストレスに伴う不眠や精神不安を取り除きます。

2009年(平成21年)9月 ショッパーに掲載

『質問』
現在妊娠2ヶ月目です。妊婦でも漢方薬を使用しても良いでしょうか?

『回答』
妊娠中の漢方薬については案胎薬、慎用薬、禁忌薬に分類されています。案胎薬とは母胎や胎児の発育に良い影響を及ぼすものであり、人参、黄耆、白朮、芍薬などの生薬で代表的な漢方薬として当帰芍薬散があり、流産防止にも使われています。慎用薬には乾姜、枳実、厚朴、桃仁、大黄、半夏、附子、牡丹皮などがあり、普通の体力であれば慎用薬に対しては過剰に心配する必要はありませんが、桂枝茯苓丸、桃核承気湯は妊娠中は投与しないのが原則です。また禁忌薬の多くは動物性生薬や鉱物であり、毒性が強いため、その使用は絶対に避けるべきとされています。現在のところ、医療用エキス製剤には、水蛭、麝香、巴豆など禁忌薬に相当するものは配合されていませんが、煎じ薬の場合は注意が必要です。妊娠中は体質が虚証に傾き、つわり、めまい、貧血、腰痛、むくみ、便秘、風邪などがみられ、体質や症状の変化に合わせて漢方薬を選ぶことが大切です

2009年(平成21年)5月 ショッパーに掲載

『質問』
漢方の話題でよく耳にする「証」とは何ですか?

『回答』
「証」とは一人一人が現している症状(自覚症状)や診察などによって分かる状態(所見)、その他体格、その人の個人的な特徴(性格など)を総合的に判断して得られた診断名のことで、漢方独特の見立てです。証は生体が正常からどのようにズレているかを示しています。したがって証が決まると治療の方向性が決まることになります。証は治療の指示でもあるわけです。多くの漢方薬からどの薬がその人に一番最適かを決める為に、証を使って選び出しているのです。一人の患者さんの証と治療に用いる方剤(漢方薬)とは最適な関係にあるべきであり、漢方ではこれを「」といいます。これは鍵とそれを解く鍵穴(key and lock)の関係と同じです。漢方における診察の目的は証を決定することであり、その人のその時点での一番ぴったりの方剤を探し出すことにより、その人の治療法が決まります。証に従って個別に治療の指針を決めることを「」といいます。
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